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蒼き詩人の世界

蒼き詩人の世界

雲仙 3

 地獄めぐりを終え、道端の案内板に目を向けると、
木花開耶姫神社の名が。
確か、本場は富士だよなぁと思いつつ旅館の朝食をはさみ、
行ってみる事にした。
 フロントにいた総支配人が道順を教えてくれ、
辿り着くと急で長い階段が続く。
両側の木枝には短冊がかかっており、俳句が書かれてある。
何枚か目にすると「顔を赤らめ」の句がある事に気づく。
不審に思いながら、頂上へ着くと理由がわかった。
道祖神である。男神と女神の二体の像がある。

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立て札には、家内和合・安産・子宝に霊験あらたかなりとある。
木花開耶姫とどう関係があるのかわからないが、
一人ではなく二人以上で詣でるべき神社なのは確かだ。
なんとも言えない笑みを一人でかみ締めるのには、寂しすぎる。


み社(やしろ)の 急なる階段 登りては 
      詠み人知らず 短冊迎える

乙女らが 顔を赤らめ 拝み行く 
      道祖神をば 一人で眺めし

是非君と 此の地踏みたし 純情な 
      赤らめた顔 隣に並べて


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